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日々の数学やプログラミングに関係する話。

二重階乗とネイピア数

今日はこれを計算したいと思います。

\begin{align}
\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n)!!}
\end{align}

分母のやつは二重階乗と呼ばれるやつです。階乗を二回繰り返したやつ (n!)! とは違うので注意しましょう。

一応初めて見た方向けにざっくり説明すると、二重階乗 n!! は正の整数のうち n 以下のものでかつ n と偶奇の一致するものを全てかけたものです。(ただし 0!! = 1

\begin{align}
5!! &= 5 \times 3 \times 1 = 15 \\
8!! &= 8 \times 6 \times 4 \times 2 = 384 \\
1728!! &= 1728 \times 1726 \times \cdots \times 4 \times 2
\end{align}

-2ずつして全部かける、でも同じですね。詳しくはWikipediaなどを見ていただくことにします。

とりあえず計算していきましょう。
実際に二重階乗を展開して書いてみるとこんな感じになります。

\begin{align}
\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n)!!} = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n) \times (2n - 2) \times \cdots \times 4 \times 2}
\end{align}

ここで、分母にある数は全部偶数で2を因数にもつので、くくりだすと綺麗になります。

\begin{align}
\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n) \times (2n - 2) \times \cdots \times 4 \times 2} = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{2^n n!} \tag{1}
\end{align}

さて、なにやら見たことありそうな形になりました。

ここで登場するのが、指数関数のマクローリン展開です。

\begin{align}
e^x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{x^{n}}{n!} \tag{2}
\end{align}

(1)を変形します。

\begin{align}
\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{2^n n!} = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{\left( \frac{1}{2} \right)^n}{n!}
\end{align}

これは(2)のマクローリン展開において x=1/2 としたときなので、以下が成り立ちます。

\begin{align}
\sum_{n=0}^{\infty} \frac{\left( \frac{1}{2} \right)^n}{n!} = e ^{\frac{1}{2}} = \sqrt{e}
\end{align}

よって、以下を得ました。

\begin{align}
\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n)!!} = \sqrt{e}
\end{align}